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ビルの給水設備について基礎知識を解説!設備の種類や給水方式を紹介
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安全できれいな水を供給する給水設備はビルの生命線の一つです。しかし、給水の方式や設備はビルによってまちまちであるため、改めてビルの給水設備について知りたい方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ビルの給水方式や、給水設備の種類など、ビルの給水に関する基礎的な知識を解説します。
給水設備とは
給水設備とは、ビルや施設など建物に水を供給するための設備です。具体的には、給水管や貯水槽、給水ポンプなどが給水設備に該当します。
ビルの規模や地域の水道の状況などによって、どのような設備を使い、どの方式で給水をすればよいかは異なります。既存のビルでも、途中から給水方式を変えられるケースはあるものの、費用がかかるため、なるべく早い段階で最適な給水方式を選択することが大切です。
万一給水設備に不具合や故障があると、断水が発生したり、安全な水が供給できなくなったりします。いずれにせよ、ビルのテナントや利用者への影響が大きいため、日頃からメンテナンスし、トラブルを防がなければなりません。
ビルの給水設備については、安全性を保つために法律で点検が義務付けられていることがあります。
ビルの給水設備の種類
ビルの給水設備は、おおまかに4種類に分かれます。しかし、ビルの給水に必ずしも4種全ての給水設備が必要になるとは限りません。
給水方式によっては、貯水槽を使わない場合や、給水ポンプを使わない場合もあります。後述の給水方式と合わせて確認してみてください。ここでは、それぞれの給水設備に関してごく簡単に解説します。
給水管
給水管は、地下を走っている上水道管から、ビルの中に水を引き込むための配管です。給水管には、耐久性に優れた素材が使われ、近年のビルには「硬質塩化ビニル管(塩ビ管)」がよく使われています。
塩ビ管はサビが発生せず、耐薬品性にも優れた寿命の長い素材です。しかし、建物の中で給水用に使われているものについては、揺れや温度変化などの影響により約25~30年で耐用年数を迎えます。
そのほかの素材としては、ステンレスやポリエチレンなどもあります。
貯水槽
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貯水槽は、上水道から引き込んだ水を一旦溜めておくためのタンクです。貯水槽には主に以下の2種類があります。
- 受水槽
- 高置水槽
受水槽とは、建物の地下や1階など、低い場所に置かれる貯水槽です。一方、高置水槽は、建物の屋上など高い場所に置かれます。
貯水槽があると、災害などでの地域的な断水時でも、貯水槽に溜めてある分の水は使えるメリットがあります。しかし、給水の安全性を保つために、貯水槽の定期的なメンテナンスは不可欠です。
3~5階ほどまでの小規模なビルであれば、上水道から給水管によって建物の各部へ直接水を供給できる場合もあるため、貯水槽が不要なケースもあります。
給水ポンプ
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給水ポンプは、建物の各部に給水する際、そのままでは水圧が足りずに供給できない場合に、圧力を補って水を届けるための設備です。給水ポンプには主に以下の3種類があります。
- 増圧ポンプ
- 揚水ポンプ
- 加圧ポンプ
給水方式によってどのポンプを使用するか異なるため、詳しくは後述の給水方式で紹介します。
給湯設備
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給湯設備は、建物内にお湯を供給するための設備です。湯沸かし器や循環ポンプ、給湯専用ボイラーなどが給湯設備に該当します。
ビルの給水方式
上水道から引き込んだ水をビルの各部に給水する方式は、「水道直結方式」と「貯水槽方式」の大きく2つに分かれます。それぞれにメリットや注意点があるため、管理しているビルの給水方式について特徴を押さえておくことが大切です。
ここからはビルの主な給水方式について解説します。
水道直結方式
水道直結方式は、上水道から引き込んだ水を、貯水槽などに溜めずに、直接ビルの各部に給水する方式です。災害などで地域的な断水があると、すぐに水が使えなくなる欠点がありますが、貯水槽の設置やメンテナンスをしなくてもよいメリットもあります。
水道直結方式は、さらに「直圧直結方式」と「増圧直結方式」に分かれます。
直圧直結方式
直圧直結方式は、配水管の水圧をそのまま利用して、ビルの各部に給水する方式です。排水管の水圧で対応できるビルの高さには限りがあり、基本的にはビルの3階までのみ直圧直結方式で給水できます。
しかし、配水管の水圧が高い地域もあるため、自治体によっては5階まで直圧直結方式での給水が可能な場合もあります。
増圧直結方式
増圧直結方式は、給水管に増圧ポンプを設置して、水圧を増やすことで中高層階にも給水する方式です。停電すると、高層階への給水は難しくなりますが、低層階には配水管の水圧で給水できます。
ビルの高さや規模によっては、増圧ポンプを直結で設置する「直列多段型」や並列で設置する「並列型」も採用されます。
貯水槽方式
貯水槽方式は、上水道から引き込んだ水を一旦受水槽などに受けてから、ビルの各部に給水する方式です。地域的な断水の影響は比較的受けにくいものの、貯水槽の設置やメンテナンスが必要です。
貯水槽方式はさらに「ポンプ圧送方式」と「高置水槽方式」に分かれます。
ポンプ圧送方式
ポンプ圧送方式は、受水槽に一旦溜めた水を、加圧ポンプで圧力を加えてビルの各部に給水する方式です。水を受水槽に受けた時点で、もともとあった水圧が軽減されているため、ポンプで圧力をかけ直すことで水を運びます。
断水があっても受水槽にある分の水は使えますが、停電があると給水できません。また、受水槽には定期的なメンテナンスが必要です。
高置水槽方式
高置水槽方式は、上水道から引き込んだ水を、ビルの屋上などに置かれた高置水槽まで揚水ポンプで引き上げるものです。引き上げられて高置水槽に溜められた水は、重力によって、建物各部に供給されます。
断水があっても、高置水槽や受水槽に溜められた水は使え、停電の際にも高置水槽にある分の水は使えます。ポンプ圧送方式よりも電気代が安くなりやすいのも特徴です。
しかし、高置水槽の設置コストやメンテナンスコストはかかります。また、屋上などの目立つところにタンクがあることで、ビルの外観にも影響があります。
ビルの給水設備に必要な点検
ビルによっては給水設備の点検が法律で義務づけられています。ここからは、主な点検として、建築基準法で定められた点検と、ビル管理法で定められた検査を紹介します。
建築基準法で定められた点検・検査
建築基準法第12条で義務として定められた、いわゆる「12条点検」には、建築設備などの点検として、給排水設備の点検も含まれています。
配管に腐食や漏水がないか、貯水槽やポンプに異物や異状がないかを、基本的には1年以内ごとに点検します。
点検ができるのは、一級建築士・二級建築士や、建築設備検査員などの有資格者です。
12条点検の概要や対象となるビルについては下記の記事をご参照ください。
12条点検とは?対象となる建築物などや点検内容を改正後の法律に沿って解説
ビル管理法で定められた検査
ビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)では、「特定建築物」に該当する建物に対して、安全な水を供給するために必要な検査と対応をするよう定めています。
例えば、貯水槽の点検など、有害物・汚水などによって水が汚染されるのを防止するため必要な対応や定期的な水質検査をしなければなりません。
ビル管理法の概要や対象となる特定建築物については下記の記事をご参照ください。
ビル管法とは?対象となる特定建築物や建築物環境衛生管理基準を解説
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