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警備ロボットにできることと課題は?導入時の確認項目も解説

ビルや施設で警備を強化したいと考えていても、予算や人材確保の面から警備員を増やすのは難しい場合もあるでしょう。そこで注目されているのが警備ロボットです。

警備ロボットを上手く活用すれば、警備をより強化できます。この記事では、警備ロボットにできることと課題を解説します。

警備ロボットとは

警備ロボットとは、カメラやセンサー、画像認識AIなどを搭載した警備用のロボットです。警備ロボットにはいくつか種類があり、自律的に移動・警備を行うものもあれば、人間が遠隔で操作するものもあります。

緊急時の柔軟な対応などはまだ不得手ですが、機械的な繰り返し業務は得意です。コンディションに左右されず、施設内の異状を文字通り機械的に感知してくれるので、警備の補助として役立ちます。

警備ロボットの種類

現在流通している警備ロボットは主に3種類あります。ここからはそれぞれの警備ロボットの特徴を簡単に解説します。

自律巡回型

自律巡回型の警備ロボットは、あらかじめ設定された巡回ポイントを自律的に巡回し、警備にあたるロボットです。カメラやセンサーを用いながら、人や障害物を避けて進みます。

比較的大型のロボットが多く、さまざまな機能を搭載しやすいのが特長です。また、一度充電すると4~8時間稼働できるものも多く、運用のスケジュールを組み立てやすいでしょう。

オフィスビルをはじめ、工場や商業施設など幅広い施設の警備に適したロボットです。

ドローン型

ドローン型の警備ロボットは、空を飛行し、上空から施設を監視するロボットです。巡回型警備ロボットとは異なり、地上の障害物とは関係なく運用できます。

監視できる範囲が広いため、広大な敷地を持つ施設を屋外から警備したい場合に向いています。また、時速10〜50kmほどで飛行できるので、場合によっては機動力を活かし、不審者の追跡も可能です。

連続で稼働できる時間は数十分ほどに限られていますが、使いどころを選べば高い警備効果を発揮します。

遠隔操作型

遠隔操作型の警備ロボットは、人間が直接制御を行うことで、複雑・高度な作業を遂行できるロボットです。多くの場合、自律巡回もできます。

人間が遠隔から操作する以上、人件費削減効果は低いですが、ロボットだけでは成り立たない細やかな作業ができます。

遠隔操作機能と自律巡回機能を上手く使い分けながら運用すると、コストパフォーマンスよく警備を強化できるでしょう。

警備ロボットにかかる費用の相場

警備ロボットにかかる費用の相場は、買い切りの場合、数百万~千数百万円です。リース契約の場合は月額15~30万円ほどかかります。

常駐警備の警備員を平日日中8時間勤務で雇う際の相場と単純に並べてみると、警備ロボットのコスト削減効果は低いように感じられるかもしれません。しかし、人間の警備員に夜間勤務や休日勤務を依頼すると割増の手当てが必要になる一方で、ロボットの場合は追加の費用がかかりません。

そのため、人間が警備すると割高になる時間に警備ロボットを上手く活用すると、費用を抑えることもできるかもしれません。また、警備ロボットと連携することで、警備員も業務を遂行しやすくなるため、日中の警備の質も向上するでしょう。

もちろん、警備ロボットの機能などによって各種費用は変動するため、詳しい費用はお問い合わせください。

警備ロボットにできること・メリット

警備ロボットにできること、細かな機能は、各メーカーや製品によって異なるものの、複数の製品に搭載されている一般的な機能もあります。

ここからは、さまざまな施設で導入しやすい自律巡回型の警備ロボットを念頭に、警備ロボットができることを紹介します。

異状検知

警備ロボットは巡回をしながらさまざまな異状を検知できます。例えば、以下の異状を検知し、通報・通知できる製品もあります。

  • 通路などで人が倒れている
  • 悲鳴などの異常音が上がった
  • 何らかのガスが漏れている
  • 火災や設備などの異様な発熱が発生している

搭載されているセンサーを用いて、人間には気付きにくい異状を早期に発見できる可能性があるのは警備ロボットの強みです。

顔認証

警備ロボットには顔認証機能が付いた製品もあります。問題のある特定の人物を事前に登録しておけば、顔認証機能を使いながら施設への出入りを監視し、不審者として検知することが可能です。

案内や注意喚起

施設の利用者に向けて案内や注意喚起も行えます。案内・注意喚起の仕方には以下のような種類があります。

  • 事前に設定した音声アナウンスを再生する
  • タッチパネルに情報を表示し、音声案内する
  • 人間がロボットを介して遠隔で通話する

また、不審者に対しては、強い光や音で威嚇できる製品もあります。

録画やレポートの作成

警備ロボットの中には、巡回しながら搭載されたカメラで周囲の状況を録画し、レポートを作成できる製品もあります。

普段の警備で、データ分析や業務改善が追いついていない現場もあるかもしれませんが、警備ロボットに自動でレポートを作成させれば、分析なども重ねやすくなります。

警備の万全さをアピールできる

ロボットにはこの後挙げるような課題もあり、やはり人による警備は現状外せないですが、警備ロボットまで配置されているのを見れば、警備の万全さを感じる人も多いことでしょう。不審者を警戒させ、利用者を安心させる効果があるかもしれません。

警備ロボットの課題

ここまで警備ロボットにできることを紹介してきましたが、警備ロボットにはまだできないことや課題も存在します。ここからは、現状の警備ロボットの課題を紹介します。

柔軟な対応はできない

警備ロボットには、緊急時に必要とされるような柔軟な対応はまだできません。そのため、警備員との連携が不可欠です。

ビルや施設の警備をすべて警備ロボットまかせにするといったことはまだ現実的ではなく、警備員と警備ロボットで協力しながらの警備が求められます。

充電の時間が必要

警備ロボットには充電の時間が必要です。巡回型警備ロボットの場合、充電スポットで充電している間は、立哨のみ可能で巡回はできません。

充電には稼働時間よりも長い時間が必要なため、1台の警備ロボットのみを使っていると、巡回ができない空白の時間が発生します。

空白の時間を作らないためには、充電している間に警備員が巡回したり、複数台の警備ロボットを交代で運用したりするなどの対応が必要です。

自力で段差を越えられない場合がある

警備ロボットは、自力で段差を越えられない場合があります。そのため、巡回するルートの途中に段差がある場合は、どのように運用するか導入前に検討する必要があります。

「段差をなくす」「人の手で運んで段差を越える」などさまざまな解決策がありますが、導入後に思わぬコストや手間が発生しないように、事前に巡回予定のルートを確認しましょう。

なお、エレベーターがあれば、連携してフロアを移動できる警備ロボットもあります。フロアをまたいだ巡回が必要であれば、エレベーターを使える警備ロボットも検討してみてください。

急に機能を停止する場合がある

警備ロボットは、急に機能を停止する可能性もあります。例えば何かの拍子に転倒すると動けません。警備ロボットが転倒すると自力で起き上がれないため、誰かが起こしに行く必要があります。

また、トラブルや故障で急に動かなくなるケースも考えられます。警備ロボットを運用する場合には、警備ロボットが動けなくなった際に誰かが駆けつけられるような体制づくりが必要です。

警備ロボット導入時のチェックポイント

警備ロボットを導入するにあたって、いくつか確認しておきたいポイントがあります。管理しているビルや施設に合った警備ロボットを導入するため、以下の点をチェックしてみてください。

どこまでの業務を警備ロボットで行うのか

警備ロボットを導入する前に、どこまでの警備業務を警備ロボットに行わせるのか洗い出す必要があります。必要とされる業務内容によって、必要なスペックや台数が異なるからです。

例えば、警備ロボットに立哨だけさせるのであれば、充電しながら稼働できるため、複数台の運用は不要かもしれません。しかし、こまめに巡回を行わせたいのであれば、充電で動けない時間を考慮した警備体制づくりが必要です。

警備ロボットを導入するなら警備員との連携も重要です。どこまでをロボットが行い、どこから人が対応するのか、なるべく見通しをつけておきましょう。

警備ロボットをどこで使うのか

警備ロボットをどこで使うのかも重要です。例えば、屋外で稼働させるなら、屋外用の防塵・防水機能が付いた警備ロボットが必要です。屋内専用の警備ロボットを無理に使うと、故障が発生しやすくなります。

また、前述の通り、段差も要注意です。越えられる段差の高さは機種によって異なるため、検討している警備ロボットが施設内で問題なく活動できそうか、メーカーや業者とも相談してみてください。

警備ロボットの重量・移動速度は問題ないか

巡回型の警備ロボットは15~160kgほどの重さがあります。軽すぎると盗難のリスクが高まりますが、重すぎると転倒したときなどの対応が大変です。いざという時に警備員や従業員が対応できる重さの製品を選びましょう。

また、移動速度も要確認です。広い範囲を警備して回りたい場合は、ある程度速度の出せる警備ロボットが向いています。施設の状況によっては、ドローン型の警備ロボットも検討しましょう。

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