点検
ビルの屋根は点検が必要!適切なメンテナンスで雨漏り対策を
ビルの屋根(屋上)のことは普段あまり意識しないという管理者の方も多いかもしれません。しかし、ビルの屋根を点検せずに放置すると雨漏りが発生し、ビルの資産価値が下がる原因にもなるので注意が必要です。
この記事では、ビルを維持する上で知っておきたいビルの屋根の点検について解説します。
ビルの屋根(陸屋根)の特徴
ほとんどのビルの屋根は傾斜のない平らな屋根(陸屋根)です。一般住宅にあるような傾斜のついた屋根があるビルはめったにありません。
一般住宅で平らな屋上にして屋上活用までしているケースが少ないことの1つには、維持費が格段に上がってしまうということもあったりします。
一方で多くのビルが陸屋根を採用する理由は、管理をしやすくするためです。ビルのような高さのある建築物で傾斜のついた屋根を採用してしまうと、屋根での作業に危険が伴い、そもそもメンテナンスが難しくなってしまいます。そのため、高い場所であっても比較的メンテナンスしやすい陸屋根を採用しています。
また、陸屋根にすると傾斜のついた屋根の場合と比較して建物内のスペースを確保しやすいので、利用可能な空間を増やせるのも陸屋根のメリットです。屋上のスペースも有効活用できるので、受変電設備や室外機なども設置できます。
このようにメリットの多い陸屋根ですが、傾斜がない分水はけが悪いという大きなデメリットもあります。雨漏りのリスクがあるため、陸屋根が採用されているビルの屋根では、建物への水の侵入を防ぐようなメンテナンスが必要です。
ビルの屋根に点検が必要な理由
一般住宅の屋根であっても点検やメンテナンスが必要になることはありますが、ビルの場合はさらにビル特有の事情によっても点検が必要になります。ここからはビルの屋根に点検が必要な理由を解説します。
雨漏りのリスクがあるから
前述の通り、ビルの屋根は水はけが悪く、雨漏りのリスクが高い形状をしています。適切な点検・メンテナンスをせずに放置すると、屋根から建物内に水が浸入しかねません。
雨漏りが発生すると、建物に大きなダメージを与えてしまいます。ビルの寿命を縮め、資産価値を低下させてしまうので、雨漏りは未然に食い止めなければなりません。
また、水が入り込んだ下にテナントのフロアがあると、最悪の場合、雨漏りによってテナントの財産を汚損してしまいます。テナントがビルを安全・快適に利用できるようにするためにも、屋根を点検して雨漏りの徴候を見逃さないことが大切です。
屋根は劣化しやすいから
ビルに限った話ではありませんが、屋根は建物の中でも劣化しやすい部分です。屋根はほとんど毎日のように紫外線が降り注ぎ、風雨にもさらされているため、劣化は避けられません。
ビルの屋根を普段利用していない場合でも、太陽の下にあるだけで劣化しているので、メンテナンスは不可欠と言えます。
屋根が劣化すると雨漏りなどのトラブルが発生します。劣化の状況を確認し、適切に対処するために点検をしましょう。
12条点検の点検対象だから
12条点検が必要なビルでは、12条点検の一環として屋根の点検も定期的に行わなければなりません。屋根や屋上の点検は建築物の点検として行われます。点検のタイミングは以下の通りです。
- 初回の点検:建築工事が完了して「検査済証」の交付を受けて6年以内
- 2回目以降の点検:3年以内ごと
すなわち、12条点検の対象となっているビルでは何もなくともおおむね3年以内に1回のペースで有資格者による屋根の点検が必要です。
12条点検全体については以下の記事をご参照ください。
12条点検とは?対象となる建築物などや点検内容を改正後の法律に沿って解説
補修費用を抑えられるから
点検によって屋根のトラブルを早めに発見できれば、屋根の補修費用を抑えられる可能性があります。トラブルや損傷個所が小さいうちなら部分的な補修でも間に合う場合があるからです。
点検には費用がかかりますが、点検しないままトラブルが発生してからだと大きな費用がかかります。予期せぬ大補修が必要にならないよう、こまめな点検を行いましょう。
ビルの屋根の主な点検内容
ビルの屋根の点検では何をチェックするのか気になる方もいるかもしれません。点検では主に屋根の表面やパラペット、笠木、排水溝などの状態を確認します。ここからは主な点検内容について簡単に解説します。
屋根の表面のチェック
通常の点検では屋根の表面の状態を確認します。一般的なビルの屋根はおおむね以下の三層構造になっています。
屋根の層 | 概要 |
---|---|
トップコート | 一番表面で防水層を保護する |
防水層 | 水が建物の内部に侵入しないようにする |
屋根下地 | 一番下の層 |
まず確認するのは一番上のトップコートの状態です。トップコートに以下のような異状が発生していないかチェックします。
- ざらついている
- 色褪せている
- 浮いている
- 亀裂ができている
上記のような異状が出ていると、トップコートが下にある防水層を十分に保護できない状態になっている可能性があります。たとえ大きな亀裂がなかったとしても、水が浸み込み、雨漏りしやすい状態になっているのでメンテナンスが必要です。
パラペットや笠木のチェック
パラペットとは、陸屋根の外周に縁のように設けられた立ち上がり部分のことです。雨水が直接外壁に流れるのを防ぐ役割を果たしています。笠木はパラペットの最上部に取り付けられる水切り用の覆いです。
一見他の部分にはあまり影響がなさそうな箇所に見えますが、パラペットや笠木のトラブルが原因となって雨漏りが発生する場合もあるので、パラペット・笠木にも点検を行います。
それぞれ、劣化や損傷などがないか目視やテストハンマーによる打診で確かめます。
排水溝のチェック
ビルの屋根には傾斜がないので、排水溝が詰まると水が流れなくなってしまいます。そのため、排水溝のチェックも重要です。
砂や土、落ち葉、どこかから飛んできたビニール袋などによって、知らず知らずのうちに排水溝が詰まっている場合もあります。特に梅雨や台風の季節の前には確認が必要です。
排水溝の詰まりの有無を確認しつつ、併せて劣化や損傷がないかも確認します。
ビルの屋根の点検で異状があった場合のメンテナンス
点検で異状があった場合には適切なメンテナンスが必要です。どのようにメンテナンスをするかは、屋根の状態によって異なります。ここでは、主なメンテナンスの例としてトップコート塗布と防水工事をご紹介します。
トップコート塗布
トップコート塗布は、トップコートに劣化や損傷が発生していた場合に塗り直しを行うものです。トップコートを新しくすれば、防水層を保護しやすくなるので雨漏りのリスクを下げられます。
トップコートの耐用年数は7~10年ほどなので、おおむね10年に1回程度は塗り直しが必要です。人がよく上を歩く場合はさらに短い頻度での塗り直しが必要になる場合もあります。
防水工事
トップコートの下の防水層にもダメージやトラブルが発生している場合は、防水層の工事も必要です。防水には以下のような種類があり、それぞれ耐用年数が異なります。
防水の種類 | 耐用年数 |
---|---|
ウレタン防水 | 8~15年 |
ゴムシート防水 | 10~15年 |
塩ビシート防水 | 10~20年 |
アスファルト防水 | 15~25年 |
防水工事は既存の防水層を撤去して新しい防水層を設置する場合もあれば、屋根の状態によっては既存の防水層の上に新しい防水層を設置する場合もあります。
防水工事は費用が高くなりやすいので、防水層はなるべくトップコートで保護し、劣化しないようにすることが大切です。
当社の強み・メリット
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