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ガスヒートポンプエアコンとは?メリット・デメリットも解説

電気代の節約ができて災害にも強いガスヒートポンプエアコンはさまざまなメリットがあります。ビルや施設の管理者の方で導入を検討している方もいるのではないでしょうか。

この記事ではガスヒートポンプエアコンについて基本的なこととメリット・デメリットを解説します。

ガスヒートポンプエアコンとは?

ガスヒートポンプエアコンとは、エアコンのコンプレッサー(圧縮機)の動力にガスを使うエアコンです。

エアコンには「ヒートポンプ」というものが使われています。ヒートポンプの中には「冷媒」という熱エネルギーを運ぶ物質が循環しています。代表的な冷媒はフロン類です。

冷媒は他の物質と同様、気化する時に周囲の熱を奪い、凝縮する時に周囲に熱を与える性質があります。ヒートポンプは冷媒の性質を利用して、冷媒を気化させたり凝縮させたりしながら、暖かさや冷たさを作り出し、エアコンから暖気や冷気を送り出します。

ヒートポンプで重要な役割を果たしているのがコンプレッサーです。物質は圧力をかけると温度が上昇し、圧力を低くすると温度が低下する性質があるので、ヒートポンプではコンプレッサーと膨張弁で圧力を変えながら冷媒を循環させています。

コンプレッサーを電気で動かしているのが従来のエアコン、ガスで動かしているのがガスヒートポンプエアコンです。

コンプレッサーの動力だけの違いですが、実はエアコンにとって大きな違いとなります。なぜなら、エアコンは電力の約9割をコンプレッサーで使っているからです。

ガスヒートポンプエアコンのメリット

コンプレッサーの動力がガスになるだけで何が変わるのか気になる方も多いでしょう。ここからは従来のエアコンと比較してガスヒートポンプエアコンのメリットをご紹介します。

電気代を抑えられる

コンプレッサーを電気で動かす従来のエアコンからガスヒートポンプエアコンに変更すると、電気代を大幅に抑えられます。

前述の通り、従来のエアコンで電力の約9割を消費しているのはコンプレッサーです。夏のオフィスビルの電力消費のうち約5割が空調費(北海道を除く)とされており、コンプレッサーの動力を変えるだけで、ビル全体の電力消費を大きく削減できます

エアコンをよく使いビルの消費電力がピークを迎える夏場の消費電力を抑えられると、電力基本料金も抑えられます。電力基本料金は、過去1年間の最大需要電力によって決まるからです。

ガスヒートポンプエアコンを導入すれば、ビル全体の電気料金を大幅に節約できます。

参考:夏期の省エネ・節電メニュー|資源エネルギー庁

受変電設備費を軽減できる場合がある

ガスヒートポンプエアコンを導入すると消費電力が低くなるので、受変電設備容量を軽減できます。そのため、契約電力によっては、キュービクル(変圧器)が不要になる場合もあります。

キュービクルが不要になれば、設置費やメンテナンス費を削減でき大幅なコスト削減につながります。

キュービクル

災害に強い

ガスヒートポンプエアコンは災害への強さの点でも注目されています。コンプレッサーをガスの力で動かす分、停電した時でもエアコンを稼働させやすいからです。

ガスヒートポンプエアコンは後述するように電気も使いますが、従来のエアコンよりずっと少ない電気しか使いません。そのため、予備電源の電力をあまり使わずにエアコンを動かし続けられます。

ガスヒートポンプエアコンが使用するガスには、LPガス、都市ガス、天然ガスがあります。特にLPガスは建物の側に貯蓄できるため、災害時でも比較的安定してガスの供給ができます。

災害時のエアコンの有無が人命にかかわるような病院や、避難先になりやすい学校のような施設では、ガスヒートポンプエアコンを導入するメリットが大いにあります。

暖房の立ち上がりが早い

ガスヒートポンプエアコンは暖房の立ち上がりが早いのが特徴です。ガスエンジンの排熱を利用できるため、速やかに暖気を送り出せます。除霜運転もほとんど必要ありません。

外気温が低くても暖房能力が低下しにくいため、特に寒冷地での暖房に向いています。

省エネ効果が高い

省エネ効果の高さもガスヒートポンプエアコンの魅力の1つです。

電気は発電所からビルに届くまでに電線や変圧器の抵抗によって、約3.4%のロスが発生します。日本の電力の約3.4%というと火力発電所約7基分の電力です。

一方、ガスならほぼロスすることなくビルまで供給されます。SDGsへの意識が高まり、サステナブルな取り組みが求められる昨今、省エネ効果の面からもガスヒートポンプエアコンは魅力的な選択肢です。

ガスヒートポンプエアコンのデメリット

ここまでガスヒートポンプエアコンのメリットを解説してきましたが、デメリットがないかも気になるのではないでしょうか。

ガスヒートポンプエアコンには導入を検討するにあたって知っておきたいポイントがいくつかあります。以下それぞれのポイントを解説します。

電気も少し使う

ガスヒートポンプエアコンは全く電気を使わないわけではありません。コンプレッサーを稼働させるのはガスの力ですが、ファンを動かすのは電気の力です。

従来のエアコンは約9割の電力をコンプレッサーで使っていたので、従来と比較すると消費電力は少ないですが、多少は必要です。デメリットというほどではありませんが、念のため導入にあたって知っておきたいポイントです。

ガス代がかかる

ガスヒートポンプエアコンを導入すると、コンプレッサーをガスの力で動かす分、ガス代は増加します。どのくらいガス代が増加するかは製品によって異なりますが、電気代+ガス代のトータルの費用でランニングコストを考える必要があります。

近年は電力でコンプレッサーを動かすエアコンであっても、消費電力を抑えたモデルが登場しており、一概にガスヒートポンプエアコンの方が光熱費削減に優れているとも言えなくなりました。

ガスヒートポンプエアコンの導入を検討する際には、光熱費の試算をおすすめします。ある程度製品の目途がついたらメーカーに聞いてみるのもよいでしょう。

エアコン本体の価格が高い

ガスヒートポンプエアコンは従来のエアコンに比べると本体の価格が高めです。電力でコンプレッサーを動かすエアコンは、消費電力を抑えた新しいモデルでもガスヒートポンプエアコンより安い場合があります。

しかし前述の通り、ガスヒートポンプエアコンを導入すると受変電設備費を軽減できる場合があるので、トータルで考えるとガスヒートポンプエアコンを導入した方が初期費用がかからないケースもあります。

導入にあたっては受変電設備費も含めて、初期費用を検討してみるのがおすすめです。

点検・メンテナンスが必要

ガスヒートポンプエアコンはガスエンジンを使うので、定期的な点検・メンテナンスが必要です。そのため、ランニングコストに点検・メンテナンス費用も考えておく必要があります。点検頻度はおおむね1~2年に1回ほどです。

しかし、従来のエアコンであっても点検・メンテナンスは必要です。確かにガスヒートポンプエアコンの方が手間はかかりますが、点検しなければならないのはガスヒートポンプエアコンに限った話ではありません。

業務用エアコンの点検については下記の記事をご参照ください。

業務用エアコンの点検義務について解説!義務化までの歴史や点検内容とは?

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