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ビルの修繕工事とは?改修工事との違いや依頼時の注意点を解説
ビルを管理していると将来の修繕工事が気になる方も多いでしょう。修繕工事は高額になりますし、工事期間も長いので綿密な計画が必要です。この記事ではビルの修繕工事について基礎からわかりやすく解説します。
修繕工事とは
修繕工事とは、建物や設備を整備してなるべく新築時の状態まで戻す工事です。工事内容は建物によって異なりますが、たとえば以下のような工事を行います。
- 外壁補修工事
- 屋上防水工事
- 給水管や排水管の取り換え工事
建物や設備を大切に使うと寿命が延びますが、経年劣化を全て防ぐことはできません。外壁にはタイルの浮きや亀裂が入ってしまいますし、屋上も劣化してひび割れ、水漏れが起きます。給水管や排水管は15年から20年ほどで老朽化して交換した方がよい状態になります。
建物の資産価値を低下させないためにも修繕工事を適切に行うのは重要です。ただし、修繕工事は足場を組む必要があるなどして、費用が高額になりがちです。ビルによっては億単位の費用が必要になる場合もあります。
コストを考えれば、無暗に修繕を行うのではなく、工事が必要な時期を見定めて計画的に修繕工事を行う必要があります。
修繕工事を行うメリット
費用が高額になりやすいので二の足を踏みがちですが、修繕工事にはさまざまなメリットがあります。いずれもビルを管理する上では見逃せないメリットです。ここからは修繕工事の主なメリットを解説します。
安全性を保てる
修繕工事を行うと建物や設備の安全性を保てます。たとえば、屋上の防水工事を行うことでテナントへの水漏れやそれによる損害を防げますし、外壁タイルの補修は建物の側を通る歩行者の安全を確保するために欠かせません。適切に修繕を行っていれば災害時の被害も軽減できます。
建物や設備の安全性を保つのはビルを管理する方の義務でもあります。テナントやビルの利用者などが安全に過ごせるよう、適切な修繕工事を行いましょう。
建物の寿命を延ばせる
修繕工事は建物の寿命を延ばすことにもつながります。どんな建物も放置していれば老朽化し壊れるものです。そうなればビルを管理する方にとっては大きな損失となります。特に思いがけない災害で建物が深甚なダメージを受けるリスクは無視できません。
修繕工事を通して建物をメンテナンスしていけば、老朽化による資産価値の低下も防げ、建物を長く使えるようになります。管理するビルを長持ちさせるために、必要な修繕を行ってください。
快適性を保てる
修繕工事をするとテナントや利用者の快適性を保てます。築年数が経って建物や設備が老朽化するとどうしても不便な箇所が出てくるものです。しかし、修繕工事を行えばビルが新築時に可能な限り近い状態に戻るので、老朽化による不便さはある程度解消されます。
ビルの快適性が保たれた状態だと、不便さを理由にしたテナントの退去や利用者の減少も防げます。ビルの収益を上げるうえでも、修繕工事は重要です。
修繕工事とそのほかの工事の違い
修繕工事について調べようとすると、「改修工事」「補修工事」などの言葉も出てきて混乱するかもしれません。それぞれよく似た雰囲気の言葉ですが、中身には明確な違いがあります。ここからは修繕工事とそのほかの工事の違いについて解説します。
修繕工事と改修工事の違い
改修工事は建物や設備をアップグレードする工事です。たとえば以下のような工事を行います。
- バリアフリー化
- 耐震性強化
- 省エネ化
修繕工事が建物を新築の状態に戻すのをゴールとするのに対して、改修工事は建物や設備にプラスアルファの改善を施す工事です。建物を新築の状態に戻してもなお足りない部分を時代のニーズに応えて付け足す工事とも言えます。
改修工事は修繕工事や補修工事のようにある程度決まったゴールがあるわけではなく、何のために工事するか一から決めていかなければなりません。改修工事をする目的を明確にして計画を立てるのが大切です。
修繕工事と補修工事の違い
補修工事は建物や設備に不具合が出た時に応急処置的に行う工事です。工事によって漏水や悪臭などのトラブルを解消したり、故障した設備をメンテナンスしたりします。
補修工事は「小修繕」とも言われ、その場で必要な分だけ建物や設備を整備する工事です。建物や設備をなるべく新築時の状態に戻す修繕工事とは規模も整備の程度も異なります。
新築に近い状態に戻す修繕工事と応急処置的な補修工事では工事の目的が異なるので、「コツコツと補修工事だけ重ねていれば修繕工事は必要ない」というわけではありません。
とはいえ、修繕工事と補修工事の間にはつながりもあります。たとえば、補修工事を依頼されて不具合の箇所を調査したときに、あまりにも不具合が大きい場合には、修繕工事の時期を早めることを提案するケースもあります。
補修工事の記録を取っておくと修繕工事を計画する際にも役立つので、「いつ」「どこを」「どのように」補修したか記録しておくのも大切です。
修繕工事のタイミング
ビルの修繕工事のタイミングは法律で定められているわけではないので、各ビルを管理する方の判断に任されます。しかし、一般的には10年から12年に1度修繕工事を行います。
ビルの修繕工事は費用が高額になるので、計画的に修繕費用を積み立てていかなければなりません。工事期間も長いので、工事を始める時期もしっかりと計画する必要があります。将来の修繕工事に向けた準備を日頃から整えていくのが重要です。
ところが、修繕工事で難しいのは計画通りに行かない場合があることです。たとえば、想定していたより早く建物に大きな不具合が生じてしまった場合には、修繕工事を早める必要があるかもしれません。その時に準備を整えられていないと大変です。
修繕工事のタイミングを計るには、数年に1度建物や設備をチェックする機会を設けるのがおすすめです。短い間隔で定期的にチェックを行っていれば、早い段階で修繕工事の計画を見直せます。
修繕工事に必要な期間
修繕工事に必要な期間は建物や設備の規模・状態によっても異なります。あくまで目安ではりますが、各工事にかかる期間はおおむね以下の通りです。
工事内容 | 必要な期間 |
---|---|
外壁補修 | 3~6ヵ月 |
屋上防水 | |
給・排水管の交換 | 1~2ヵ月 |
電気設備の交換 | |
空調・換気設備の交換 |
また、工事前には準備期間があります。修繕を行う建物・設備を調査したり、工事の計画を立てたり、管理者の方と打ち合わせをしたりするのに半年から2年程度の時間が必要です。修繕工事が必要そうであれば、早め早めに動き出すのをおすすめします。
修繕工事を依頼する時の注意点
修繕工事を依頼する時にはいくつか気を付けておきたいポイントがあります。特に注意したいのが「業者選び」と「記録」です。それぞれ詳しく解説していきます。
総合力の高い業者を選定する
修繕工事を依頼する業者を選ぶ際には、総合力の高い業者を選定するのをおすすめします。総合力とは、基本的な技術力はもちろん、建物や設備に関わる広範な知識を持ち、時には外注を行い適切にマネジメントできる力です。
修繕工事では建物や設備のさまざまな箇所をメンテナンスする必要があります。そのため、幅広い修繕に対応する力が必要になりますし、建物全体を把握していなければ十分な修繕は行えません。幅広い領域をカバーする技術力・知識は必要です。
そして時に自社だけでは全ての領域をカバーできない場合もあります。そういったときに、適切な外注を行える業者であれば、修繕工事全体のクオリティを保てます。
適切でない業者に依頼すると、修繕工事の質が低く、想定よりも短いスパンで次の修繕工事が必要になりコストが嵩んだり、安全性や快適性が向上しなかったりします。もちろん価格は重要ですが、中・長期的なことを考えれば安さだけで業者を選ぶのはおすすめできません。
一方、良い業者を選ぶと費用対効果の高い修繕工事ができます。きちんと必要な工事を行う業者を選ぶのが結局のところコストを抑えるのに最適です。修繕工事を依頼するなら、ビルの修繕工事の実績があり、総合力の高い業者に依頼しましょう。
当社はビルにまつわる100の業務をカバーし、大規模修繕工事の実績も多数あります。修繕工事を行う場合には事前に「中長期修繕計画」を策定して工期や費用を明確にした上で工事を行います。
そのほか、ビル・施設の状態を診断することで、安全で快適な状態を保つ上で必要な改修を判断する「建物診断」も行っておりますので、修繕工事をいつ行えばわからない状態でもお気軽にご相談ください。
修繕の記録を作る
修繕工事をする際には修繕の記録も作りましょう。修繕の記録を作って保管しておけば、次の補修・修繕・改修の時に役立てられます。
ビルを管理する上で建物や設備の現状を把握するのは非常に重要です。記録があれば現状把握が容易になるだけでなく、今後何かあったときもスムーズに業者に依頼できるでしょう。
修繕工事をするなら、業者から報告書が提出されるはずです。報告書はぜひ保管しておいてください。また、報告書で分からないところがあれば遠慮なく業者にお尋ねください。
当社の強み・メリット
総合ビルメンテナンス企業である当社は、長期に渡る視点でビルのメンテナンスに関わることができ、計画的な修繕も対応できます。以下のような強みがありますので、ビルメンテナンスに関して何かご相談がありましたら、ぜひ、コニックスにご相談ください。
コニックスへの問い合わせ
- 特に愛知県においては拠点数が多く、何かあった時にすぐに駆け付けることができます
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