清掃
汚水槽清掃について解説!清掃方法や料金も紹介
汚水槽は普段見えないところにあるので、あまり意識していない方もいらっしゃるかもしれません。しかし、汚水槽は定期的に清掃しなければならず、清掃を怠るとさまざまなトラブルの原因になります。
この記事ではビルや施設を管理する上で知っておきたい汚水槽清掃について解説します。
汚水槽とは
汚水槽とは排水槽の1つで、トイレの排水を溜めておく場所です。地下階があるビルや施設などではトイレの排水は直接下水に流すのではなく、一旦汚水槽に溜めてから排水ポンプで汲み上げて下水に流します。
トイレの排水を溜める場所として、一般的には出回ってませんが合併槽もあります。合併槽はトイレの排水と生活排水・厨房排水の両方を溜める一方で、汚水槽はトイレの排水のみを溜めるのが両者の違いです。
汚水槽は汚れが溜まりやすいため、法令で清掃が義務づけられている建物もあります。また、清掃しないとさまざまなトラブルの原因になるので、法令で義務づけられていなくても、定期的な清掃をおすすめします。
汚水槽を清掃しないとどうなるか
コストなどの関係から汚水槽の清掃をしたくないと考える管理者の方もいらっしゃるかもしれません。しかし、汚水槽の清掃をしないと以下のような深刻な事態を招きます。
- 悪臭・衛生害虫の発生
- 排水ポンプの故障
- 汚水槽の劣化
悪臭や衛生害虫が発生すると、テナントに多大な迷惑をかけるほか、建物の評判を著しく下げてしまいます。排水ポンプが故障したり汚水槽が劣化したりすると、逆流などをして周囲に悪影響を与えますし修繕費用が高くつきます。いずれにせよ、管理しているビルや施設にとって大きな損失です。
こうしたデメリットを考えれば多少費用はかかっても、汚水槽の清掃は定期的にした方がよいでしょう。
汚水槽清掃の義務について
ビル管理法施行規則第4条の3により、「特定建築物」では汚水槽をはじめとする排水に関する設備を、6ヵ月以内ごとに1回清掃しなければなりません。
「特定建築物」とは以下の建物を指します。
1.以下の用途に使われる部分の延べ面積が3000㎡以上の建物
- 興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館、遊技場
- 店舗、事務所
- 学校教育法第1条に該当しない学校、研修所
- 旅館
2.以下の用途に使われる部分の延べ面積が8000㎡以上の建物
- 学校
- 幼保連携型認定こども園
なお、東京都では「建築物における排水槽等の構造、維持管理等に関する指導要綱(ビルピット対策指導要綱)」によって、少なくとも4ヵ月ごとに1回排水槽を清掃するよう指導されています。ビル管理法とは求められている清掃頻度が異なるので注意が必要です。
また、汚水槽の汚れ具合によっては、より短い間隔での清掃が求められます。排水の性質や、排水量、汚水槽の容量によっては通常より汚れやすい場合があるので、清掃業者と相談して清掃頻度を決めましょう。
汚水槽清掃の方法と手順
汚水槽清掃を依頼するにあたって、清掃方法と手順を知りたい方も多いでしょう。細かなところは業者によって異なりますが、おおまかには以下の方法・手順で清掃を行います。
事前準備
事前準備として、酸素濃度測定と換気を必ず行います。汚水槽の内部は有毒なガスが溜まり、酸素濃度が低くなっている可能性があるからです。作業者が酸欠などにならないよう、酸素欠乏危険作業主任者が現場の責任者となります。
また、汚水槽内部は火気厳禁なので、火災や爆発の原因にならないタイプの照明器具も用意します。このように汚水槽清掃には専門的な知識と準備が要求されます。
清掃作業
清掃作業はおおむね以下の手順で進めます。
- 汚水槽の中の汚水を排水ポンプで排水する
- 排水しきれない汚水や汚泥をバキューム車で汲み上げる
- 汚水槽を水洗浄しながら、洗浄排水をバキューム車で汲み上げる
- 排水ポンプや流入管、排水管などに付着した汚泥を除去する
作業時間は汚水槽の容量や汚れ具合によって異なるので、どのくらいかかりそうか業者に聞いてみましょう。
点検・消毒作業
清掃作業が終わってから、排水ポンプや流入管、排水管などに異状がないか確認します。また、必要に応じて消毒作業を行います。
汚泥の処分
除去した汚泥は、関係する法令に従って処分しなければなりません。汚水槽の汚泥は「一般廃棄物」にあたります。そのため、汚水槽の汚泥を収集・運搬するためには一般廃棄物を収集・運搬するための許可が必要です。
報告書の提出
最後に清掃前と清掃後の様子がわかる報告書を作成し、提出します。問題なければ全作業終了です。
汚水槽清掃の料金
汚水槽清掃の料金は、汚水槽の容量によって異なります。汚水槽の容量がわかれば、見積もりを提示できます。ビルや施設を管理している方が汚水槽の容量を把握していない場合も多いので、多くの業者は現地調査をした上で見積もりします。
見積もりをするなら、複数の業者で相見積もりをするのがおすすめです。多少面倒に感じるかもしれませんが、長い付き合いになる業者なので、それぞれの見積もりを比較しましょう。
また、単発の汚水槽清掃だけでは値引きがきかない場合が多いですが、他の排水槽の清掃を依頼したり、長期契約を結んだりすると単発よりは安く済む場合もあります。信頼できそうな業者なら、長期契約なども検討してみましょう。
汚水槽清掃の業者を選ぶポイント
汚水槽清掃を依頼するならなるべく良い業者を選びたいところです。ここからは業者を選ぶポイントを解説します。
他の排水槽の清掃にも対応しているか
汚水槽だけでなく、他の排水槽も清掃したい方は多いのではないでしょうか。雨水貯留槽、湧水槽を除く排水槽は、汚水槽と同じく清掃の義務があります。
できれば他の排水槽の清掃も請け負う業者を選んだ方が、依頼する側の負担は減るでしょう。排水槽の種類によって廃棄物となる汚泥の処理の仕方や必要な許可が異なるので、依頼する際には、どの排水槽まで対応可能なのか確認してみてください。
主な排水槽は以下の通りです。
排水槽の種類 | 概要 |
---|---|
汚水槽 | トイレ排水のみを貯留する水槽 |
雑排水槽 | 洗面・厨房などからの雑排水を貯留する水槽 |
合併槽 | トイレ排水と雑排水を両方貯留する水槽 ※一般的には出回ってません。 |
雨水貯留槽 | 雨水を貯留する水槽 |
湧水槽 | 流入してくる地下水を貯留する水槽 |
なお清掃の義務がない雨水貯留槽や湧水槽であっても、放置しておくと腐敗や衛生害虫の発生などのトラブルが発生する可能性があります。雨水貯留槽や湧水槽も定期的に清掃を行うのが安心です。
実績があるか
依頼する際にはなるべく実績のある業者を選びましょう。汚水槽清掃には安全性への配慮や、細かな注意が必要です。
安いからといって実績のない業者に依頼するとトラブルにつながりかねません。実績のある業者なら依頼に慣れているので、コミュニケーションもスムーズです。
見積もりや清掃の説明が明確か
見積もりに不明な点がない業者を選びましょう。後から思っていたよりも高額な請求をされるといったトラブルを防ぐためです。
また、汚水槽は定期的に清掃が必要なので、清掃業者とは長い付き合いになります。清掃についてわかりやすく丁寧に説明をする業者を選んだ方が安心です。
トラブルがあったときに連絡しやすいか
トラブルがあったときに連絡がしやすく、早めに対応しそうかどうかも確認しておきましょう。万一汚水槽にトラブルがあった場合には、悪臭や逆流などを防ぐためにも早急な対応が必要だからです。
対応の早さを重視するなら、管理しているビルや施設の近くに拠点を置いている業者を選ぶのがおすすめです。
当社の強み・メリット
総合ビルメンテナンス企業である当社は、以下のような強みがあります。
汚水槽に限らず他の排水層の清掃や、ビルにまつわる様々な点検、清掃、衛生管理などについて、ぜひ、コニックスにご相談ください。
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