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ビルメンテナンスとは?仕事内容を詳しく解説
ビルメンテナンスの業務は、法律に基づき実施しなければいけないことも多く、多岐に渡ります。専門的な業務も多く、全体像を把握しきれていない方もいるのではないでしょうか。この記事ではビルメンテナンスの仕事内容を詳しくご紹介します。イメージしやすいように具体的な説明も盛り込みますので参考にしてください。
ビルメンテナンスとは?
ビルメンテナンスとは、ビルや施設などの建物・設備を維持し、管理する仕事です。ビルや施設を安全かつ快適に利用できるようにすることで、利用者の利便性を保ちつつ、建物の資産価値を守ります。
ビルメンテナンスがカバーする領域は幅広く、それぞれに専門的な知識・技術が要求されます。有資格者のみができる業務も少なくありません。
ビルメンテナンスの業務は大きくは以下の5つに区分されます。
- 環境衛生管理業務
- 設備管理業務
- 建築物・設備保全業務
- 保安警備業務
- その他の管理業務
ここからは、それぞれの業務について詳しくご紹介します。
環境衛生管理業務
環境衛生管理業務は、建物や外周の環境をきれいに保ったり、建物の空気や水などが安全な状態になるよう管理したりする業務です。
環境衛生管理業務は、大きくは清掃管理業務と衛生管理業務の2つに分かれます。清掃管理業務は「建築物内部清掃」と「建築物外部清掃」に分かれ、衛生管理業務は「空気環境管理」「給水管理」「排水管理」「害虫・ねずみの防除」「廃棄物処理」の5つの業務に分かれます。
まとめると、環境衛生管理業務は次のように分けられます。
- 清掃管理業務
- 建築物内部清掃
- 建築物外部清掃
- 衛生管理業務
- 空気環境管理
- 給水管理
- 排水管理
- 害虫・ねずみの防除
- 廃棄物処理
以下、それぞれの業務を詳しく紹介します。
建築物内部清掃
建築物内部清掃は、建物の中の床、壁、天井、照明器具、家具、窓などを清掃する業務です。清掃は建物の美観を保つだけでなく、腐食などを防いで建物を長持ちさせる役割も果たします。
清掃も専門的な知識や技術が要求される業務です。建物の隅々まできれいにするのは、一般に想像されるよりも難しく、清掃道具や清掃方法を選びながら作業します。
汚れの種類の見極めが重要なのはもちろん、建材によっては使用できる洗剤が限られるため、専門的な判断が必要です。コロナ禍で身近になった消毒作業や抗菌コーティング、予防消毒や防疫作業を業務の一環として行う場合もあります。
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建築物外部清掃
建築物外部清掃では、外壁や高所の窓ガラスを清掃したり、ビル周りや駐車場、屋上を清掃したりします。また、景観維持のために植栽の管理も欠かせません。
大気中の粉塵などを原因とした建物の外装の汚れは、放っておくと清掃が困難になるので、建物の外側も定期的な清掃が必要です。建築物外部清掃も、建築物内部清掃と同様に建材や汚れによって清掃方法を変えます。
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空気環境管理
空気環境管理は、建物内の空気を安全で快適に保つ業務です。ビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)施行令では、「建築物環境衛生管理基準」が定められており、その中に空気環境の基準もあります。
空気環境に関しては、浮遊粉塵の量、一酸化炭素の含有率、二酸化炭素の含有率、温度、相対湿度、気流、ホルムアルデヒドの量の基準が定められており、特定建築物ではおおむね基準に適合するよう、空気環境を調節しなければなりません。
また、特定建築物以外の建物であっても、多くの人が利用する建物では建築物環境衛生管理基準に従った維持管理をする努力義務があります。
業務としては定期的に空気環境測定を行い、基準を満たしていない場合には対策を講じます。
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給水管理
給水管理は、飲用やその他の目的のために安全な水が建物で使えるよう管理する業務です。具体的には、貯水槽清掃や定期的な水質検査などを行います。
貯水槽は清掃を怠るとカビや雑菌が発生する可能性があります。また貯水槽内に錆が沈殿するため、トラブルが発生しないよう適切な管理が求められます。
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排水管理
排水管理では、建物で使った水がきちんと排水されるように、排水槽や排水管、雑排水槽、浄化槽などの清掃などを行います。適切に排水管理をしないと、悪臭や詰まり、漏水などが発生します。
他の設備と同様、排水設備も清掃をすることで長持ちしやすくなります。日常の使用で汚れが溜まりやすい設備でもあるので、清掃をはじめとした管理が重要です。
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害虫・ねずみの防除
害虫・ねずみの防除は、ゴキブリ、ハエ、蚊、ノミ、シラミ、ダニといった人の健康を害するような害虫や、ねずみの発生・侵入を防いだり、駆除したりする業務です。
害虫やねずみが発生する場所や侵入経路、被害などの調査を定期的に行い、調査結果を踏まえて必要な対策を講じます。
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廃棄物処理
廃棄物処理では、建物で発生した廃棄物を収集・集積し、必要に応じて中間処理をした上で、建物の外に排出する業務です。廃棄物には一般廃棄物、産業廃棄物、医療廃棄物などの種類があり、処理業者との連携などを取りながらそれぞれ適切に処理する必要があります。
設備管理業務
設備管理業務は、建物内外の各設備が正常に動作するよう運転保守する業務です。設備管理業務で扱う設備には主に以下のような設備があります。
設備種類 | 設備例 |
---|---|
電気通信設備 | 受変電設備、屋内配線設備、照明設備、非常用発電設備、蓄電池設備、電話設備など |
空気調和設備 | 空気調和装置、ボイラー、冷凍機・冷却塔、冷温水発生機器、送風機・排風機、ダクトなど |
給・排水設備 | 貯水槽、給水管、排水管、排水槽、雑排水槽、浄化槽など |
消防用設備 | 警報設備、消火設備、避難設備など |
昇降機設備 | エレベーター、エスカレーター |
建物の各設備は「動いて当たり前」と思われがちですが、その裏には日頃の管理業務の積み重ねがあります。近年の動きとして、ビル設備のシステム化にともない、個々の設備に限定された知識だけでなく、設備全体への知識も求められるようになっています。
建築物・設備保全業務
建築物・設備保全業務は建物や設備を点検・整備する業務です。適切な点検・整備をすることによって、建物・設備を長く使えるようにします。前項の設備管理業務と重なる部分もあるので、ひとまとまりの業務として扱われる場合もあります。
建築物・設備保全業務も専門的な知識が必要で、多くの点検では報告書も書かなければなりません。しかし、点検によってトラブルの発生を未然に防ぐことができます。
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保安警備業務
保安警備業務は、建物に警備員が常駐し、防犯・防火を行うことで、建物と利用者の安全を保つ業務です。また、駐車場の管理も保安警備業務に含まれます。以下、保安警備業務の具体的な内容を解説します。
警備業務
警備業務では、建物の出入り口や監視カメラのチェック、見回りなどを行い、建物と利用者の安全を守ります。機械警備システムや出入管理システムの導入も進んでおり、従来型の常駐警備だけでなく、新しく導入されるシステムへの適応も求められます。
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防火防災業務
防火防災業務は、消防設備などの維持・管理などを行います。たとえば、火災報知機や防火シャッターなどがきちんと動作するか確認するほか、防災センターでの防災監視装置の監視や制御、緊急対応なども行います。防火防災業務も新しいシステムへの適応が求められる業務です。
駐車場管理
駐車場管理は、駐車する車の出入りや配置などを管理し、安全に車を保管する業務です。駐車場管理でも機械化・自動化が進み、機械警備システムで駐車場の防犯や監視などを行う駐車場が増えています。
その他の管理業務
その他の管理業務には、以下のような業務があります。
- ビルマネジメント業務
- 受付・案内
- 電話交換
- メールサービス
ビルマネジメントの位置づけはさまざまで、ビルマネジメントをビルメンテナンスの一部に含めない考え方もあります。しかし、近年ではビルマネジメントも含めて、ビルメンテナンスを総合的にサポートする会社が増えています。いずれもビルや施設の管理・維持をソフト面から支える業務です。
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