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排水管の点検と清掃・排水管高圧洗浄についてわかりやすく解説

排水管の清掃についての法的な義務はありませんが、点検については義務があります。いずれにせよ、悪臭や詰まり防止のために、清掃も定期的に行いたいものです。

排水管の清掃は法的な義務ではないため、ビルや施設の管理者の方でも、排水管清掃について詳しく知らない方は多いのではないでしょうか。この記事では、排水管清掃全般と排水管清掃の中で主流となっている高圧洗浄について解説します。

排水管の点検と清掃について

排水管の清掃では、排水管が詰まったり、悪臭・有毒ガスが排水管から上がってきたりしないように、排水管やその他の排水設備を掃除します。後述する法的な義務がある点検では、排水管に腐食や漏れがないかどうかがチェック内容です。そうなってからでは大変なので、定期的に清掃をしておくことが望まれます。排水管清掃をしないと最悪の場合、汚水の漏出や逆流などの深刻な事態を招きます。

排水管がきちんと機能していないと、ビルや施設の使用にも支障が出ますので、ビルや施設を快適に利用できる状態を保つためにも、排水管清掃は重要です。

法的な義務はないものの、ホテル、マンション、給食センター、食品加工工場などでは定期的に実施しているところも多いです。

たとえ、排水管に残飯をそのまま流すといった非常識な使い方をしなかったとしても、排水管には日常の使用の中でさまざまな汚れが付着していきます。普段から排水管をきれいに使っていたとしても、定期的に清掃を行いましょう。

また、排水管に汚れが付着していると老朽化につながりやすいので、定期的な清掃は排水管の長寿化にもつながります。排水管の交換は費用が高くなりやすいので、コスト削減の面からも定期的な清掃がおすすめです。

排水管点検・排水設備に関する法令上の規定

排水管点検や排水設備に関して、いくつかの規定が法律で定められています。法令で義務になっていることを確認しておきましょう。

排水管点検に関する建築基準法の規定

建築基準法第12条に定められた点検、いわゆる「12条点検」では、建築設備の点検として給排水設備について配管に腐食や漏水がないかなどを点検し、報告しなければならないことになっています。

報告の頻度は、初回が検査済証の交付を受けて2年以内、2回目以降が1年以内ごとです。排水管などの状態を定期的に報告しなければならないことを踏まえて、排水設備の維持・管理を行ってください。

12条点検の全体については、次の記事で詳しく解説しています。

12条点検とは?対象となる建築物などや点検内容を改正後の法律に沿って解説

排水設備の清掃に関するビル管理法の規定

先述の通り、排水管の清掃については法的な規定はありませんが、汚水槽、雑排水槽の清掃に関しては法的な規定があります。

まずビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律・建築物衛生法)から解説します。

「特定建築物」の排水設備に関しては、排水設備の正常な機能が阻害されることによって、汚水の漏出などが生じないように設備の補修と掃除を行うことが、ビル管理法施行令第2条第2号に定められています。

また、ビル管理法施行規則第4条の3によって、特定建築物では排水設備の清掃を6ヵ月以内ごとに1回、定期的に行う義務が定められています。

ビル管理法施行令第1条で定められた特定建築物とは以下の建物です。

1.以下の用途に使われる部分の延べ面積が3000㎡以上の建物

  • 興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館、遊技場
  • 店舗、事務所
  • 学校教育法第1条に該当しない学校、研修所
  • 旅館

2.以下の用途に使われる部分の延べ面積が8000㎡以上の建物

  • 学校
  • 幼保連携型認定こども園

建物を快適に使い続けるためには、特定建築物ではない建物であっても、少なくとも6カ月に1回は汚水槽、雑排水槽を清掃した方がよいでしょう。また、厨房などの排水管は汚れが付着しやすいので、3カ月に1回など、より高い頻度で清掃を行うのが望ましいです。

汚水槽の清掃については下記の記事もご参照ください。

汚水槽清掃について解説!清掃方法や料金も紹介

排水管清掃を行う場所

法的な規定まではない排水管ですが、汚水槽、雑排水槽の清掃と一緒に清掃してはいかがでしょうか。

  • 排水口
  • 排水桝
  • 排水管
  • 阻集器(グリストラップ)

耳慣れない単語もあるかもしれませんが、ビルや施設の管理者の方はこれらの設備を適切に維持・管理しなければなりません。

阻集器(グリストラップ)、排水管などは専門的な技術がないと清掃やメンテナンスをするのが困難です。また、自分だけで清掃すると時間や労力もかかってしまいます。排水管清掃は信頼できる業者に依頼するのがおすすめです。

排水管清掃の手法

排水管清掃の手法は使う道具によってさまざまです。専門の業者は排水管などの様子を見ながら、最適な手法を選んで作業します。ここからは、排水管清掃の主な手法をご紹介します。

高圧洗浄での清掃

排水管清掃の主流となっている清掃方法です。ノズルから高圧の水を噴射し、排水管の中に付着した汚れや堆積物などを除去します。

ワイヤーでの清掃

スクリュー形やブラシ形のヘッドが付いたワイヤーを排水管の中に入れ、排水管の中の汚れや堆積物などをこそげ落とします。

ロッドでの清掃

スクリュー型のヘッドが付いた1.0~1.8mほどのロッド(棒)をつなぎ合わせて敷地排水管や雨水敷地排水管に入れ、汚れや堆積物などをこそげ落とします。

サクションポンプでの詰まり解消

排水管が詰まってしまっているときに使う手法です。排水口に吸引ができるポンプを設置し、吸引力で排水管の詰まりを解消します。

電動トーラーでの詰まり解消

ワイヤーの先端に取り付けた器具で排水管の詰まりを解消する「トーラー」を使う手法です。排水管にこびりついて固くなってしまった汚れを除去するのに向いています。

排水管高圧洗浄の手順

排水管清掃で最も一般的に行われる高圧洗浄の手順について解説します。

  1. 準備
    高圧洗浄機とホースを用意します。排水管内部の状況により、汚れが酷い場合は高圧洗浄車を使用する場合もあります。
  2. 事前調査
    必要に応じて、排水管の内部をファイバースコープなどで調査します。調べるのは排水管の汚れ・閉塞や腐食の度合いなどです。
  3. 作業
    排水管の高圧洗浄を始めます。高圧洗浄で落ちた汚れが下の方で詰まらないように、下の階から順番に飛ばさずに作業します。
  4. 排水テスト
    シンクなどに水を溜めて一気に流すことによって、漏水や異音の有無を確認します。

特に管理者の方に知っておいていただきたいのは、高圧洗浄の作業は下の階から順番を飛ばさずに行うということです。どこかの階で作業ができないと、作業全体が遅れるため、排水管清掃の際にはどの階でも作業ができるよう調整が必要となります。

排水管高圧洗浄のデメリット

排水管高圧洗浄にはいくつかデメリットがあります。専門の業者はデメリットが生じないよう作業しますが、自分で高圧洗浄をする場合には以下のデメリットを被る場合があります。排水管の清掃はなるべく専門の業者に依頼しましょう。

排水管が古いとヒビや割れが発生する可能性がある

高圧洗浄をする排水管が古いと、排水管にヒビや割れが発生し、漏水してしまう場合があります。排水管の古さは、排水口から覗いただけではわかりません。

そのため、専門の業者は事前にファイバースコープなどで排水管の内部を調査したり、ビルの築年数や高さ、排水管の種類などによって高圧洗浄の水圧を調整したりします。

汚水が逆流してくる可能性がある

排水管の詰まりがひどいと、高圧洗浄で使った水がうまく流れていかず、逆流してくる場合があります。高圧の水を使っている分、逆流のスピードも速く、排水口の周囲に被害が出てしまうこともあります。

排水管の一部がきれいにならない可能性がある

高圧洗浄だけだと、排水管の一部がきれいにならない場合もあります。排水管には悪臭を防ぐなどの目的でカーブがあります。カーブは洗浄しづらく、きちんと清掃するには技術が必要です。

当社の強み・メリット

総合ビルメンテナンス企業である当社は以下のような強みがあります。
排水管の点検や清掃をされたい方は、ぜひ、コニックスにご相談ください。
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