業務用エアコン
企業は知っておくべきエコチューニングについて解説! 業務用エアコンの実例についても紹介
地球環境問題について意識したことはありますか?実際に気候変動の観測やオゾン層の破壊、地球温暖化など、様々な環境問題は世界規模で取組むべき課題になっています。この環境問題を引き起こす原因の一つが、わたしたちが快適な暮らしを受ける代わりに排出される温室効果ガスと言われています。世界各国で温室効果ガス削減の取り組みが行われるなか、日本においても2020年10月、首相は「2050年にカーボンニュートラル・脱炭素社会を目指す」ことを宣言しました。
参考:2050年カーボンニュートラルに向けた我が国の課題と取組
そこで重要なキーワードとなるのがエコチューニングという取り組みです。
ですが、エコチューニングという言葉を聞いたことがない方も多いのではないでしょうか。環境問題でよく取り上げられるSDGsについては知ってる、という人が多くなりましたが、エコチューニングの場合、認知度がまだまだ低いのが現状です。しかし、エコチューニングはこの脱炭素社会に求められる重要な取り組みです。特に、建物を所有する企業はこのエコチューニングの取り組みが必須となっていきます。この記事ではエコチューニングについて解説していきます。また、具体例として業務用エアコンでのエコチューニングを紹介します。
エコチューニングについて
エコチューニングという取り組みはどうやって生まれたのでしょうか。
ここではそもそもエコチューニングとはなにか?ということについて紹介します。
エコチューニングとは
エコチューニングとは、「ビルで使われるエネルギーの無駄をなくすこと」です。私たちが日々利用しているビルは24時間365日年中無休で動いています。
電気設備、冷暖房設備、換気設備、ガス設備、様々なエネルギーが使われています。わたしたちは二酸化炭素を排出していますが、ビルも同じように温室効果ガスを排出しています。無駄なエネルギーの使用を減らすことで、温室効果ガスの排出の量を減らし、地球環境が良くなる方向へ目指すことをエコチューニングといいます。
進む温暖化とその影響
おそらく多くの人の想像以上以上に地球環境は深刻になってきています。18世紀の産業革命をきっかけとして、工業化が始まり、工場や、わたしたちが日々利用しているビルなどといった建築物が多く建てられるようになりました。
結果として建物から排出される温室効果ガスにより地球の温暖化が進んでいき、気候変動が確認されるようになりました。
規模の大きい自然災害も増えています。
2018年には西日本豪雨、2019年には台風19号による災害が起きました。地球温暖化により、雨が降る時は大量の雨が、降らないときは全然降らないという具合に、極端な気象現象が起きています。
暮らしが便利になった一方、地球温暖化が進み、自然災害が増え、多くの命と生活が奪われてきた事実があります。
企業はエコチューニングが必須となってきている
近年の電気代の高騰により、節約・省エネのために個人でも電気をこまめに消すといった行動に取り組んでいる方も多いのではないでしょうか。
エコチューニングは、省エネを個人ではなく事業者が行う取り組みとなります。上場企業に対しては、温室効果ガスをどれくらい減らすか、実際に排出したのはどれくらいか実績を開示することを義務化する動きも出てきています。脱炭素社会の実現に向けて、エコチューニングの動きは強まってきています。
エコチューニングの実例
エコチューニングは様々な方法があり、全国ビルメンテナンス協会は366通りの取り組みをまとめています。
ここではいくつかピックアップして紹介します。
夜間のビルは1つの部屋で作業
ビルは夜になると、各階でポツポツと光が見えるというのがよくありますよね。これでは冷暖房などが非効率になってしまいます。
人が少ない時間帯では、1つの部屋に集まると省エネになります。
節水コマの導入といった小さい取り組みも
例えば、給湯室の水の出し方は急だったりしないでしょうか。節水コマを導入するといった小さい取り組みも立派なエコチューニングです。自宅のみならず、職場でも省エネを意識するというのは難しいかもしれませんが、小さい取り組みも積み重なれば大きくなります。
建物の中の自販機
ビルの中にある自販機もエコチューニングできます。例えば、人が通っていないときは明かりをOFF、遅い時間帯においては、冷却機能を最低限にするなど、必要に応じて省エネ対策をすることができます。
エコチューニングを行うメリット
エコチューニングのメリットは地球環境だけではありません。
その他のメリットについて3つ紹介します。
少ない費用でコスト削減を実現できる
既存の設備の運用を見直す方法のため、新しい設備を導入せずにコスト削減を実現することができます。少ない費用で行えることがエコチューニングの大きな魅力です。
人々の健康につながる
快適な環境は人々の健康につながります。
無駄なエネルギーを使うことで、明るすぎたり、暑すぎたり、寒すぎたりすることで、人々の健康を損ねてしまうこともあります。エコチューニングを行うことでちょうどいい環境を作り出すことは人々の健康につながります。
企業の評価アップ
地球環境の問題は社会問題であり、国をあげて様々な取り組みが行われています。その中でエコチューニングに取り組んでいる企業は、評価アップにつながります。
エコチューニングとSDGs
環境の取り組みのひとつにSDGsがあります。人類は環境問題をはじめ、貧困や感染症など様々な問題に直面しています。このまま進んでしまうと人類は安定した生活を送れなくなってしまいます。そのような状況を防ぐために考案されたのがSDGsです。ここではエコチューニングとSDGsの関係についてご紹介します。
エコチューニング自体は昔からある考え方
エコチューニングという概念は昔からありましたが、あまり認知度は広がっていませんでした。建築物が大きくなればなるほど複雑化し、エネルギーについて考える機会が少なかったため、と言われています。
ですが、SDGsの普及により、エコチューニングにも目が向けられ、今後必須になる考え方へと変化をしています。
エコチューニングはSDGsの4つの項目に貢献する
SDGsには17の目標が定められています。
エコチューニングを行うことで以下の4つのゴールにつながると言われています。
- 「7:エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」
- 「11:住み続けられるまちづくりを」
- 「12:作る責任、使う責任」
- 「13:気候変動に具体的対策を」
私たちが使用しているエネルギーは、作られ過ぎていて、たくさん捨てられています。使いすぎず、余分なエネルギーを簡単に捨てず、工夫をしながら、無駄をなくしていくエコチューニングはまさにSDGsにつながると言えるでしょう。
業務用エアコンのエコチューニング
ビルで良く使われる設備の一つとして業務用エアコンがあります。業務用エアコンの与える環境への影響は大きく、業務用エアコンの点検義務もあります。
ここでは業務用エアコンのエコチューニングの例をあげます。
快適な環境を作り出してくれる業務用エアコンですが、何も考えずに使用すると無駄なエネルギーを使ってしまいます。業務用エアコンの省エネを考えている方はぜひ、参考にして取り入れてみてください。
スマートメーターで見える化して省エネ
どの時間帯にどのくらいの電力を使っているかを可視化したものがスマートメーターです。スマートメーターを導入することで効率よい運転管理を実現することができ、省エネに繋がります。
センサーの逆効果を防ぐ
エアコンの中にはセンサー機能を使って温度や人を感知し、状況によって冷暖房の強弱を変えることで省エネとする機能を持つものがあります。
無駄な運転を抑えることに役立つセンサーですが、このセンサーが逆に無駄を起こしている例もあります。例えば、センサーの真下にコピー機をおいてしまったりするとエアコンはそのコピー機から発する熱を感知して無駄な運転をしてしまいます。このように、実は省エネと言われる機能が逆効果になってしまう場合もあるため、エコチューニングをすることで、無駄なエネルギーを抑えることができます。
送風だけで温度調節をする
室内が暑く、外の方がすっきりと感じるという経験がないでしょうか?室内にあるコピー機やパソコン、そして私たち自身からも熱を発生しています。こういう時は、冷房を使わずに窓を開けて外の空気を取り入れつつ、「送風」を使用します。このようにエコチューニングでは、熱を作る設備を使わず、外気を使って温度を調節します。室内だけではなく、外の気温にも視点を向けて快適な室内を保ちます。
また、換気扇や全熱交換器を使用して換気をすることもおすすめします。
全熱交換器を使用する際は、普通換気モードに切り替えることにより、室内の空気と外気を入れ替えることができます。
まとめ
今回はエコチューニングについて紹介しましたが、エコチューニングについて知らなかった、という方も多かったのではないでしょうか?
エコチューニングは、ビルで発生する無駄なエネルギーをなくして、温室効果ガス削減に貢献することを指します。個人での取り組みももちろんですが、温室効果ガス排出の大半を占めるビルのエコチューニングが今後の地球環境を左右すると言われています。
エコチューニングは重要な取り組みとして位置付けられていましたが、認知度が少ないのが課題とされていました。
ですがSDGsの普及により認知度が広がりつつあり、社会問題となっている電気代の高騰から、今後の話題に上がることは多くなるのではないでしょうか。そのため、エコチューニングという取り組みは今後必須の流れになってくるでしょう。エコチューニングは主にビルメンテナンス会社が得意としています。興味を持った企業の担当者やオーナー様は一度、コニックスに問い合わせをいただければと思います。