業務用エアコン
業務用エアコン取り付け工事(施工、設置)の注意点
業務用エアコンの設置及び施工は全て1人では行わず、取付業者に依頼するのが一般的です。ですが設置といってもどのような流れで行われるのかイメージがわきにくい方も多いのではないでしょうか?この記事では、業務用エアコンの設置の流れとそれに伴う注意点をご紹介します。施工の大まかな流れも紹介しますので参考にしてください。
事前調査をスムーズに行えるように資料を提供する
エアコンの取付は、家庭用エアコンに比べて大がかりな工事となるため、業者による事前調査を行うのが一般的です。事前調査の前に資料を準備しておけば、スムーズな調査ができます。一方で日程の都合上、どうしても事前調査なしで取り付けをする場合もあります。それでも、当日のトラブルを少なくするためには資料は有効な手段です。
取付業者に依頼する際は以下の資料を準備しておくといいでしょう。
竣工図
設置する予定の部屋の竣工図を用意しましょう。もし、見つからない場合は設計した建築事務所に連絡をしてみるといいでしょう。
竣工図があると電気系統がどこにあるのか、配管はどのようにつながっているのかがわかります。また、以前に工事が行われていた場合、どこが変更されているのかも確認できます。このようにさまざまな情報を持つ竣工図はとても大事です。事前調査はもちろん、当日のトラブルにも対応できますので、竣工図を用意しておきましょう。
現場写真
取付業者が更にイメージできるように現場写真を準備しましょう。設置する部屋の全体像や、搬入に使えそうな通り道など、あれば参考になると思える写真があれば、撮っておくとよいです。天井裏の写真は不要です。
設置機器の写真
設置機器の写真も撮っておくといいでしょう。特に既存のエアコンの交換工事の場合は、処分の段取りがスムーズに行えるようになります。写真には型番などの情報が入っていると親切です。
現地調査で確認したい注意点
業務用エアコンのような大きい工事では、さまざまなトラブルの可能性があります。
そのため実際に業者立会いのもと、現地調査を行います。ここでは当日になってのトラブル防止、設置後の後悔を防ぐため、現地調査で確認しておきたい注意点を3つご紹介します。
天井に穴をあけて大丈夫か?
業務用エアコンには天井埋め込み型もあります。その場合、天井に穴を開ける作業が発生します。しかし、設置したい天井の裏には重要な配線が通っていたり、そもそも穴を開けるのはNGという物件もあります。また、天井に穴を開ける場合、穴の仮復旧、点検口の設置には費用が発生する場合があります。
当日になって穴が開けられないことが発覚してしまうと工事の遅れどころか、そもそも工事ができなくなってしまい、取付業者含め周りの関係者に迷惑をかけてしまいます。設置したかった天井の場所に穴を開けられない場合は、吊り型のエアコンなど別の方法で対処することができたりもします。まずは天井に穴を開けることが可能か、もし難しいのならば別の手段がないか業者と相談しましょう。
設置する場所とエアコンの種類は適切か?
業務用エアコンは設置する場所が重要です。
例えば天井カセット4方向形の業務用エアコンでは正方形の形に風を送るため、部屋の中心部におけばムラなく部屋を温めることができます。
この形で部屋の角に設置してしまうと温度調節に無駄が出てしまいます。角に設置する場合は天井カセット1方向形がよいとされています。ですが、すでに業務用エアコンを購入してしまった場合もありますので、その場合も踏まえて取付業者と相談して、設置する場所とエアコンの種類を確認しましょう。
室外機の置き場所は適切か?
意外と盲点なのが室外機の置き場所です。
建物と建物の間の小さいスペースに室外機を置いてある物件があったりします。この場合、室外機自ら起こす風により、室外機自身が不具合を起こす可能性があります。また、近くに水道管が走っていると凍結してしまう恐れもあります。こういったトラブルは、夏に工事を行った後、冬になると発覚するパターンが多いです。また、室外機を間隔を狭めて2台設置している場合もありますが、今後入れ替えをしたり、メンテナンスやトラブルの対応をする際に割高になってしまいます。なぜかというと中の部品を取り出す際に、側面パネルを外すことができず、手間賃がかかってしまうからです。設置後の問題については触れず、目先の利益のために工事を進めてしまう業者も中には存在します。設置する建物内だけに目がいきがちですが、室外機の置き場所についても、問題がないか業者と確認しましょう。
施工・設置工事の大まかな流れ
実際にどのような流れで取り付けを行うのか紹介します。取付当日は関係者同士で改めて作業の確認を行い、工事にとりかかります。
基本的には業者に任せることになりますが、トラブルを防ぐためにも事前に工事を行うことは周囲にお知らせしておきましょう。
(1)搬入経路を確認する
業務用エアコンは大型のため、取扱いに注意が必要です。障害物や人にぶつけないことにはもちろん留意し、業務用エアコンを安全に運べるよう、搬入経路は入念に確認します。
(2)養生
搬入経路や取り付け場所において、傷つけてしまったり、汚れが付着しないよう養生をします。
(3)既存エアコンの撤去
既存の業務用エアコンを撤去します。冷媒ガスが入ったままでは撤去できないため、事前に抜いておきます。新規導入の場合はこの過程は省かれます。
(4)室内機と室外機の搬入
撤去が終わったら、室内機と室外機を搬入します。台数が多く、大掛かりな場合は建物の入り口近くにトラックを横付けする場合もあるため、事前に道路使用許可申請を行う場合もあります。
(5)設置工事
搬入したあとは、取り付け工事を行います。
配管や電源ブレーカーの工事、開いた穴の補修などで大きな音が発生することもあります。
(6)試運転・完了
冷媒ガスを注入し、試運転を行います。
無事に動くことを確認できたら、サインをもらい、工事終了となります。
取付業者を選ぶときの注意点
取付業者は様々で、どの業者を選んでいいかわからないですよね。
できるならば、よりよい業者を選びたいものです。
取付業者を選ぶ時に注意した方がいいポイントを解説します。
料金ではなく、実績を見た方が安心
取り付け工事は高額な場合が多いため、なるべく費用を抑えたいという方も多いと思います。ですが、取付業者を選ぶ際は料金ももちろんですが、実績が1番わかりやすい指標となるでしょう。取付工事は、家庭用エアコンと違い規模が大きい工事となります。そのため経験豊富な業者を選んだ方が安心です。
見積もりを詳細に示してくれるか
依頼する際にどれぐらい金額がかかるのか見積もりをもらえます。
その時に見積もりは詳細に書いてくれるか確認しましょう。
良心的な業者は事細かに書いてくれます。できるならば、複数の業者に相見積もりすることでより良い業者を選定できます。
管工事の許認可を取得している
管工事の許認可を取得している業者を選ぶといいでしょう。
繰り返しますが業務用エアコンは家庭用エアコンのようなただの取り付けといった簡単な工事ではありません。例えばエアコンを取り付けした際に、天井に隙間が空いてしまう場合があります。このまま放置するわけにはいかないので、ボードに細工をします。これは大工の領域に入ってきます。管工事業の業者はこのノウハウを持っています。このように、業務用エアコンの取り付けは実は専門性が高いのです。
管工事の許認可を取得するには経験と年数が必要なため、簡単に取得できるものではありません。ですので、管工事の許認可を取得しているかどうか確認をしてみるのもいいでしょう。
定期点検のアフターフォローができるか確認する
業務用エアコンを設置した後は、必ず定期点検を行わなければなりません。
これはフロン排出抑制法という法律で定められた義務となります。もし、定期点検を怠ると、罰則を受けてしまう恐れがあります。
この定期点検は、専門の業者しか行うことができません。具体的には、フロンの取扱いに関する有資格者しかフロンを扱うことができません。
そのため、取り付け業者において有資格者がいない場合、設置はしてもその後の定期点検はできませんので、別に業者に依頼してください、と言われてしまいます。
この場合は違う業者に依頼するため、予定外のコストもかかります。
基本的には取り付けから定期点検といったアフターフォローまで一貫してお任せできる業者を探せると良いでしょう。
補助金を活用しよう
業務用エアコンの導入には多額の費用が掛かってしまいますが、補助金が出ることは知っていますか?条件はありますが、一度検討してみるのもいいのではないでしょうか。
ここでは業務用エアコンの補助金について説明します。
業務用エアコンの補助金とは
国や自治体は地球温暖化対策などを目的として、中小企業・小規模事業者向けに補助金制度を設けています。省エネルギー対策ができる空調設備の導入を促進しているため、比較的新しい業務用エアコンが補助金の対象になっています。
業務用エアコンの補助金の例
例えば飲食店などの換気設備の導入を支援する「大規模感染リスクを低減するための高機能換気設備等の導入支援事業」があります。不特定多数の人が入る建物が対象のため、スーパーや事務所なども対象になる可能性があります。また、東京では「中小規模事業所向け省エネ型換気・空調設備導入支援事業」があります。そのほか、各自治体でいろいろな補助金制度があるので調べてみるといいでしょう。
補助金の注意点
補助金の募集は申請期間が短い傾向があります。そのため、補助金や支援制度が開始されたとしても準備が間に合わない可能性があります。こういった募集情報を事前に環境省のホームページなどで知っておくことが大事です。
また、補助金申請には、条件があります。例えば、換気設備を同時に導入すること、という条件などです。
様々な補助金の制度があり、勘違いしやすい側面もあります。一度取り付け業者に相談してみるといいでしょう。また、この国及び各自治体の予算から出る補助金は上限がない助成金とは異なり、上限に達した場合は終了する場合もありますので注意しておく必要があります。
まとめ
業務用エアコンを設置する時の注意点について紹介しました。
取付をお願いするときは、事前調査を行うのが一般的です。その際に資料を準備しておくと、スムーズに調査を行えます。
取付の時は、音が出ることが多いため、周囲に工事をすることを知らせるようにしましょう。多数の業務用エアコンを搬入するときなど、事前に道路交通許可申請を行わなければいけないこともありますので注意が必要です。取付業者を選ぶ際の注意点は多くありますが、まずは値段よりも実績があるか、その後の定期点検のフォローがあるかを中心に選びましょう。業務用エアコンは多額の費用がかかるため、国や自治体が設けている補助金の検討をしてみるとよいです。様々な条件があるため、しっかりと確認するとともに、取付業者にも相談してみると安心でしょう。
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