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フロン排出抑制法について解説!定期点検の必要あり!

フロン排出抑制法について知っていますか?

フロン排出抑制法は小さな企業や店舗も対象になる環境法令です。

業務用エアコンを導入している場合はこのフロン排出抑制法を守らなければなりません。つまり私たちは業務用エアコンに使われているフロンガスを正しく取り扱いするよう、法律で定められています。

また、これからオフィスに業務用エアコンを新しく導入しようとしている方や、新しくお店を開く方などは内容を知っておく必要があるでしょう。

すでに業務用エアコンの管理を担当している方の中には、なんとなくは知っていて、とりあえず業者に頼んでいる、という方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事ではフロン排出抑制法と、業務用エアコンの定期点検について解説していきます。定期点検を依頼する業者の選び方なども紹介しますので、参考にしてみてください。

業務用エアコンのフロン排出抑制法について

初めに述べたように、あなたの事業所に業務用エアコンを導入する場合、もしくはすでに業務用エアコンを管理している場合は必ずフロン排出抑制法という法律を守らなければなりません。フロン排出抑制法について理解を深めていきましょう。

概要

フロン排出抑制法とはフロンの取り締まりを目的とされた法律です。

フロンガスはエアコンの冷暖房の用途に使用されていたのですが、一方でオゾン層を破壊してしまうことが判明しました。このことから1987年にはモントリオール議定書が締結され、フロンの代わりに代替フロンが使われるようになり、当時まで使われていたエアコンのフロンガスが取り締まられるようになりました。

しかしこの代替フロンも、地球温暖化を進める温室効果ガスであることも明らかになりました。これに伴い、2016年10月、ルワンダのキガリにて議定書が改正され、代替フロンについても生産量・消費量の削減義務が課されることになりました。

参考:フロン対策の動向について(経済作業省製造産業局)

モントリオール議定書

地球上空のオゾン層は太陽からの紫外線を吸収する役割を持っています。このオゾン層が破壊されてしまうと、私たちの環境に大きく影響を及ぼしてしまいます。私たちは、オゾン層というフィルターを通した、「ソフトな太陽の光」の中で暮らしているのです。オゾン層破壊を食い止めようということで、世界全体で取り組むことになった背景から締結されたのがモントリオール議定書です。

モントリオール議定書の内容はフロンといったオゾン層を破壊する恐れのある物質を段階的に規制・撤廃をすることです。

日本での規制

日本でもこの条約の規制に則りフロンの規制が始まり、フロン排出抑制法を定め、2020年までに代替フロンとも呼ばれるハイドロクロロフルオロカーボンが全廃しています。その年、規制がさらに強化されました。

参照元:環境省ホームページ

フロン排出抑制法の目的は大きくは次の三点あります。

  1. フロンの使用量を抑制すること
  2. フロン類から害の少ない代替品への移行の促進
  3. フロン類の充填回収などがきちんと行われるよう管理を行えるようにする

このような背景からフロンガスが使われている業務用エアコンの所有者は管理義務が発生するようになりました。

定期点検が必要な業務用エアコンは?

業務用エアコンに使われるフロンガスが規制された背景はお分かりになったでしょうか。業務用エアコンは点検が義務となっています。

点検には2種類あり、管理者が目視点検を行う簡易点検、さらに条件を満たす業務用エアコンには専門の業者がフロンガスの漏洩を確認する定期点検があります。それでは具体的に定期点検が必要な業務用エアコンについて解説をいたします。

第一種特定製品である

フロン排出抑制法の対象となる業務用エアコンは第一種特定製品と呼ばれています。第一種特定製品とはフロン類が使用されている機器を指します。

オフィスビルやスーパー、レストランなど実は幅広く設置されています。

見た目としては天井に埋め込まれているエアコンがイメージしやすいでしょう。一方で、オフィスビルに設置されてはいるけど、家庭用のルームエアコンは対象にはなりませんので注意が必要です。

定格出力が7.5kw以上である

業務用エアコン全てが定期点検が必要となるわけではございません。

ある程度の定格出力を持つ業務用エアコンが対象となります。

定格出力とは、製造者が定めた最大能力を指し、この定格出力が7.5kw以上の場合は対象となります。この出力の数値は室外機についているラベルシールに記載されているので確認することができます。

まとめますと、第一種特定製品のうち、定格出力が7.5kw以上あるエアコンが対象となる、ということになります。

点検の内容について詳しくは次の記事を参照ください。

業務用エアコンの点検義務について解説!義務化までの歴史や点検内容とは?

定期点検の重要性と罰則

フロンガス排出抑制法の目的は、フロンガス漏洩のリスクを減らすことです。
エアコンは常時使用されていることが多い機器です。使用し続けることで劣化が進み、密閉性が低くなるとフロンガスが漏洩する危険性が高くなります。
そのため、定期的に点検を行うことでフロンガス漏洩の危険性がないか、確認する必要があります。

フロン排出抑制法は政府が作った私たちが守らなければならない法律です。
そのため、定期点検を怠るとその法律を破ってしまい、罰則を受けてしまいます。なんとなくではなく、後述する定期点検の基本を理解し、ルールを守っていきましょう。

定期点検の基本と注意点

定期点検の重要性を理解していただいた上で、次は定期点検における基本と注意点について解説していきます。

定期点検の基本

定期点検は定格出力が7.5kw以上50kw未満では3年に1回以上、50kw以上では1年に1回、専門の業者に見てもらうことになります。点検の内容は室外機・室内機の目視点検に加えて電流・圧力・温度・電圧の測定となります。

また、フロンガスの漏洩がないか確認してもらいます。もし漏洩が見つかった場合は速やかに漏洩箇所を特定し、修理を行う必要があります。

定期点検の注意点

2020年より、フロン排出抑制法はフロンガスをより一層取り締まる目的で規制が強化されました。2020年以前は点検の記録は業務用エアコンを設置した時から廃棄するまで、とされていましたが、改正後は廃棄後も三年間の保存が義務付けられましたので注意しましょう。

定期点検の業者の選び方

定期点検の依頼をする場合は業者の選び方に注意が必要です。
業務用エアコンはルームエアコンとは全く違う仕組みでできています。
家電量販店の業者ではなく、空調機械設備業者に依頼するといいでしょう。
ポイントを解説します。

管工事業の認可を取得している

業者を選ぶ際は管工事業の認可を取得しているか確認することをお勧めします。管工事業を持っているということは、実績と年数があり、能力を備えている、ということの証明です。

業務用エアコンはルームエアコンと違い、大きい配管の設置や場合によっては天井にピッタリと収まるように天井の工事を行う必要があります。

管工事業の認可を取得している業者は大規模な工事をする能力があり、安心したサービスを受けることができます。つまり、定期点検のノウハウがあると言えます。管工事業の認可を取得していない業者でも、業務用エアコンを一台だけ導入といった500万以下の工事であれば業務用エアコンを設置することができます。取得していない業者はお勧めしない、ということではございませんが、選ぶならば管工事業の認可を取得している業者がいいでしょう。

フロンガス取扱の資格を持っている

定期点検は有資格者しか行えません。フロンガスを廃棄・充填するのはもちろん、持ち運びでも資格が必要となります。冷媒が漏洩してしまうということはあってはならないため、資格がないとフロンガスに触れることもできません。

取り扱える代表的な資格では「冷媒フロン類取扱技術者」があげられます。

このような資格者が在籍しているか確認をしましょう。

もし、資格者がいない場合は定期点検は必然的にその会社の外注となり、費用が大きくなる可能性があります。依頼する際はフロンを扱えるかどうかを聞き、さらに資格証明書のコピーなどを確認できると安心して依頼できるでしょう。

定期点検でフロン排出量を抑えよう

フロン抑制の動きにより現在ではオゾン層の穴の拡大傾向はなくなっており、数十年後にはもとに戻るという予測がされています。

参照元:平成30年度オゾン層等の監視結果に関する年次報告書について(環境省)

2023年1月の国際連合の専門家委員会が提出した報告書では、あと数十年で完全に回復する見込みということでした。

参考:CNN記事

フロンガスによる破壊が発覚し、問題視されていた当時は、オゾン層は元に戻らず、私たちが住む環境に紫外線が降り注ぎ、被害が深刻な状況になるだろうとまで言われていました。ですが、前述したようにフロンガスに対する世界的な取り組みによってオゾン層は元の状態に取り戻しつつあります。オゾン層破壊や地球温暖化というイメージはなかなか湧きにくく、ピンと来る人は少ないのかもしれません。ですが、1人1人が正しい知識を入れ、定期点検を行い、フロンガスのリスクを下げることで再び豊かな地球環境を取り戻すことができるのです。

まとめ

フロン排出抑制法と業務用エアコンの定期点検について解説しました。
フロン排出抑制法の目的は、フロンガスの影響を軽減するためです。また、定期点検の対象となる業務用エアコンは第一種特定製品であり、一定以上の定格出力を持つエアコンとなります。エアコンは常時稼働しているため、劣化が進みフロンガスの漏洩リスクが高くなることから定期的な点検が大切です。また、定期点検を怠ると、罰則を受けるため注意しましょう。

定期点検は専門の業者が目視点検に加えてフロンガスの漏洩がないか検査します。定期点検を業者に依頼する際はフロンを扱えるか確認することが大切です。そうでない業者の場合はさらに外注をする必要があり、費用が高くつく可能性があるため注意が必要です。

フロンガス削減の取り組みは日本だけではなく、世界中の人が取り組んでいます。そのおかげで破壊されたオゾン層が回復しつつあります。フロン排出抑制法を守って、引き続き私たちの地球環境を大切にしていきましょう。

業務用エアコンの点検を通じて少しでも異常や不安を感じたり、点検を依頼したい時には、ぜひ下記リンク先からコニックスまでお問い合わせください。

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